2007年12月07日

ef - a tale of memories. 第九話「forget me not」

ひとつ言っておきたいと思ったのは、
私はアニメの「ef」という作品をそれほど高くは評価していません。
面白い試みをしているという新鮮さに触れてみたいから見て、
感想も書いているといったところです。
機会があれば別館にでもまとめてみようと思う。

さて、今回のテーマは「空白」ですかね。
みやこの空白の時間と、千尋の空白の時間。
それを埋めてくれた存在。

忘れる方と忘れられる方。
痛み=お前の。
大きくなるほど辛く。
恐怖=目の前にいる人が誰か分からない。
本当は知っている人のはずなのに。

蓮治の流血が涙のように見える。
この気持ちは実際に体験してみないことには分からない。
蓮治がそこまで恐怖を感じる理由が分からないんだよなぁ。
そういう意味ではキャラの心情を描き切れていないのではないだろうか?

ずっと同じ毎日=何も無い日。
モノクロの、線だけの、真っ白な世界。
日記にだけ色がある。記憶という色が。
でも満たせない心。
何が足りない?違う世界、新しい世界が欲しい!

蓮治と出会ってからの日記が千尋の全て。
では蓮治にとってはどうか?
同じ千尋、でも違う千尋。
本当は毎日違う千尋であり、蓮治もそれを気持ちの奥底で分かっていた。
だからこその恐怖。
今回、千尋が一気に別人になってしまったことで、
奥にあったものが一気に表に出たということか。

何に対しての恐怖かはこれで説明が付くんだけど、
上記に書いた「どうして?」という理由の部分が
ハッキリしないのは変わらずですね。
存在の変化というのは確かに恐ろしいかもしれないが、
だからといってそこまで苦悩する必要はないんじゃないかと。
愛情は記憶の積み重ねによって生まれるものだが、
じゃあ、その記憶が無くなったら嫌いになるのかというと、
そうではないと思うので。


みやこと紘についてはどうでもいい。
個人的な話だけど、アニメでのベットインは嫌いな要素のひとつなんです。
たぶん大人の恋愛という感じがダメなんだと思う。
『アニメは子供も見る作品』という思いがまだどこかに残っているらしい。


演出面について。
景が「輝けない」と言っている場面。
街灯の真下に居る景が暗く、京介の方には光が当たっている。

海辺を歩くみやこと紘、光で縁取り。いらないなぁ。
このシーン、雲の流れが妙に早い。
でも波の流れは穏やか、けど激しさもある?

キスシーンの盛り上げはどうかなーと思った。
唐突さもそうだけど、お互いの気持ちの繋がりが見えにくい。
そんなに愛情の深まるイベントってありましたかね?
みやこが紘のことが好きという気持ちが全然描き切れていない。
描いていたとしても、多くの人には伝わっていないと思う。

蓮治と火村の会話シーン、雲がまったく動かない。
火村が立ち上がるシーンから急激に雲が動き始める。
ここからまた新たなスタート。


千尋の物語。
自画像、すべての絵に自分を描く。
良く分からない感情と興味。
世界でただ一人の彼女は神様。
でも万能の神ではないよね?


「選んだからには責任があるんだよ。一度係わったことを、
無かったことにして逃げるなんて出来ねーよ…」
これがこの作品の登場人物の関係すべてを表す言葉だと思った。

at 11:07│TrackBack(1) アニメ感想(6) 

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1. レビュー・評価:ef − a tale of memories./第9話「eve」  [ ANIMA-LIGHT:アニメ・マンガ・ライトノベルのレビュー検索エンジン ]   2007年12月10日 01:37
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